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カンボジアの公教育制度

目次:

 

・幼児教育

・初等教育(小学校)

・中等教育(中学校・高等学校)

・新学期と学期

・一日の登校時間

・高等教育

・識字率と卒業率

・教育の課題と改善

・まとめ

カンボジアの教育制度は、幼児教育、初等教育(小学校)、中等教育(中学校・高等学校)、高等教育の四段階に分かれている。

 

◯幼児教育

カンボジアの幼児教育は、3歳から5歳までの子どもを対象としている。幼稚園(プレスクール)は、子どもたちに基本的な社会的スキルや学習習慣を身につけることを目的としている。都市部では多くの子どもが幼稚園に通っているが、農村部ではその機会が限られている。幼児教育の普及率向上が課題となっている。

 

◯初等教育(小学校)

カンボジアの初等教育は6年間で、6歳から12歳の子どもが対象である。小学校は1年生から6年生まであり、教育の普及率は高まっているが、特に農村部では未だに学校に通えない子どもも存在する。初等教育は無料で提供されており、基本的な読み書き算数の能力を身につけることが重視されている。しかし、教育資源の不足や教師の質の問題が課題となっている。

 

◯中等教育(中学校・高等学校)

カンボジアの中等教育は前期中等教育(中学校)と後期中等教育(高等学校)に分かれている。中学校は3年間(7年生から9年生)で、義務教育の一部として無料で提供されている。高等学校はさらに3年間(10年生から12年生)であり、より専門的な科目が教えられている。

 

◯新学期と学期

公立学校の新学期は1月に始まり、学年は2つの学期に分かれている。

1. 第1学期:1月から6月

2. 第2学期:7月から12月

学期の途中には短い休暇期間が設けられており、第2学期の終了後には長期の休暇がある。

 

◯一日の登校時間

公立学校の一日の登校時間は、午前の部と午後の部の二部制が取られていることが多い。通常、午前7時から午前11時までが午前の部、午後1時から午後5時までが午後の部である。これは、特に都市部で学校の施設や教師の不足を補うための方法である。

 

◯高等教育

カンボジアの高等教育機関には、国立大学、私立大学、専門学校、職業訓練機関などがあり、これらは学士号、修士号、博士号を提供している。主要な高等教育機関には、プノンペン王立大学、カンボジア工科大学、経済財務大学などがある。高等教育は、学生が特定の専門分野において高度な知識とスキルを習得するための重要なステップである。

 

◯識字率と卒業率

最新のデータによると、カンボジアの成人識字率は2022年時点で83.78%である。初等教育の修了率は90.70%である。一方で、中等教育と高等教育の修了率に関する具体的な最新データは確認できないが、教育へのアクセスと質の向上が進められている (TheGlobalEconomy.com) (World Bank Open Data)

 

◯教育の課題と改善

カンボジアの教育制度は過去数十年間で大きく改善されてきた。特に初等教育へのアクセスは広がり、識字率も向上している。しかし、依然として多くの課題が残っている。教育資源の不足、教師の質の向上、教育施設の整備、都市部と農村部の教育格差などが挙げられる。また、貧困や家庭の経済的な事情により、特に農村部では学校を中退する子どもも多い。

政府はこれらの課題に対処するため、様々な政策を実施している。例えば、教師の研修プログラムの充実、教育施設の整備、奨学金制度の導入などが行われている。また、国際的な支援団体やNGOもカンボジアの教育改善に大きく貢献している。

 

◯まとめ

カンボジアの教育制度は、幼児教育から高等学校まで段階的に整備されており、多くの子どもたちに教育の機会を提供している。新学期は1月に始まり、学期は2つに分かれている。一日の学習時間は午前と午後に分かれる二部制が一般的である。教育の質やアクセスには地域差があり、政府や国際機関の支援が不可欠である。今後も持続的な改善が期待されるとともに、全ての子どもたちが平等に教育を受けられる環境の整備が重要である。