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インターカリキュラム

1.そもそもカリキュラムとは

 

◯カリキュラムとは

カリキュラムとは、ある教育目標のために組み立てられた学習プラン・学習内容を指す。 

代表的なものに:

・国際バカロレア(IB: International Baccalaureate )

・ケンブリッジ国際カリキュラム(CAIE:Cambridge Assessment International Education)

・IEYC(International Early Years Curriculum: 国際幼児教育カリキュラム)

・IPC(International Primary Curriculum: 国際初等教育カリキュラム)

・IMYC(International Middle Years Curriculum: 国際中等教育カリキュラム)

・アメリカカリキュラム、イギリスカリキュラム、オーストラリアカリキュラム、カナダカリキュラム

 

インターナショナルスクールは、これらのカリキュラムを基に、それぞれが独自のプログラムを展開している。

2.国際的なカリキュラム/代表的なもの

 

インターナショナルスクールのカリキュラムには、世界的に知名度が高く信頼性のあるものがいくつかある。これらは、もちろん教育の質は高く、まさに国際基準の教育カリキュラム/プログラムである。

また、これらのカリキュラム・プログラムを修了、資格を獲得することで、大学進学の際に様々な国の大学への入学資格を得ることもできる。

◯国際バカロレア(IB: International Baccalaureate)

国際バカロレアは、スイス・ジュネーブに本部を置く非営利団体が運営する国際的に認められた教育プログラムである。このプログラムは、世界中の教育機関で採用されており、生徒が21世紀のグローバル社会で必要とされるスキルや知識を身につけることを目的としている。

IBプログラムは、以下の4つの主要なプログラムに分かれている。

 

1.初等教育プログラム(PYP, Primary Years Programme)

3歳から12歳までの児童を対象とし、探究学習を通じて学びの楽しさや自己表現力を養うことを目指すものである。

 

2.中等教育プログラム(MYP, Middle Years Programme)

11歳から16歳までの生徒を対象とし、クリティカルシンキングや問題解決能力を育成するカリキュラムを提供する。生徒は幅広い教科を学び、自身の学びの関心を追求する。

 

3.ディプロマプログラム(DP, Diploma Programme)

16歳から19歳までの生徒を対象とし、大学進学を見据えた厳格で幅広いカリキュラムを提供する。生徒は6つの教科を選択し、各教科での試験やエッセイに加え、「創造性・活動・奉仕(CAS)」や「知識論(TOK)」といった独自のプログラムを履修することが求められる。

 

4.キャリア関連プログラム(CP, Career-related Programme)

16歳から19歳の生徒を対象とし、特定のキャリアや職業に焦点を当てたプログラムである。学問と職業訓練を組み合わせ、将来のキャリアに向けた準備をサポートする。

 

IBプログラムの特徴として、多様性の尊重や国際的な視野を育成する教育方針が挙げられる。生徒は、自分の意見を持ち、それを論理的に表現する力を養い、異なる文化や価値観に対する理解を深めることができる。また、国際バカロレア資格(IBディプロマ)は世界中の多くの大学で高く評価され、大学入学時の条件として認められることが多い。

 

日本でも国際バカロレア資格を有する者で18歳に達した者に対しては、大学への入学資格が認められている。また、大学入試においても国際バカロレア資格及びそのスコアの積極的な活用を文部科学省が推進していることもあり、近年ではこれを出願資格の1つとして定めていたり、これを活用して入試を行う大学・学部も増えている。

 

国際バカロレア HP:

https://www.ibo.org

IBを活用した入試:

https://ibconsortium.mext.go.jp/about-ib/entrance-exam/

 ◯ケンブリッジ国際カリキュラム(CAIE:Cambridge Assessment International Education)

ケンブリッジ国際カリキュラムは、イギリスのケンブリッジ大学が運営するケンブリッジ大学国際試験機構(Cambridge Assessment International Education, CAIE)によって提供される、世界的に認知された教育プログラムである。このカリキュラムは、5歳から19歳までの生徒を対象にしており、世界160以上の国々で提供されている。

ケンブリッジ国際カリキュラムは、次の4つの主要なプログラムに分かれている。

 

1.ケンブリッジ初等教育(Cambridge Primary)

5歳から11歳の児童を対象とし、英語、数学、科学などの基礎的な科目を学ぶプログラムである。

 

2.ケンブリッジ中等教育前期(Cambridge Lower Secondary)

11歳から14歳の生徒を対象にしたプログラムで、初等教育の延長として、より高度な学習内容が含まれる。

 

3.ケンブリッジ中等教育(Cambridge Upper Secondary)

14歳から16歳の生徒を対象とし、国際的に認められた資格であるIGCSE(International General Certificate of Secondary Education)を取得するためのプログラムである。生徒は多様な科目から選択し、幅広い分野で学ぶことができる。

 

4.ケンブリッジ上級レベル(Cambridge Advanced)

16歳から19歳の生徒を対象とし、ケンブリッジ国際AS・Aレベル(Cambridge International AS & A Levels)といった高度な資格を取得するためのプログラムである。これらの資格は、大学入学のための要件として広く認められている。

 

ケンブリッジ国際カリキュラムの特徴として、学術的な厳格さや柔軟性が挙げられる。生徒は自分の興味や能力に応じて科目を選択でき、異なる学習スタイルやペースに対応した学びが提供される。また、世界中の教育機関で高く評価されており、多くの国で大学進学のための資格として認められている。

 

日本の文部科学省は「入学資格に関するQ&A」で、Cambridge International AS & A Levelを大学入学資格として認めるとしている(ただし、AS Levelのみの修了者は除く)。これにより、多くの日本の大学において、Cambridge International AS & A Levelが大学入学資格として認められている。

 

ケンブリッジ国際カリキュラム HP:

https://www.cambridgeinternational.org/jp/

 ◯IEYC、IPC、IMYC

IEYC、IPC、IMYCは、International Curriculum Associationという教育機関が開発した国際的なカリキュラムで、それぞれ異なる年齢層の子どもたちを対象としたプログラムである。これらのカリキュラムは、世界中の学校で採用されており、子どもたちの学びをサポートすることを目的としている。以下に各プログラムの概要を示す。

 

1.IEYC(International Early Years Curriculum: 国際幼児教育カリキュラム)

IEYCは、2歳から5歳の幼児を対象とした国際的な初期教育カリキュラムである。このプログラムは、幼児期の学びが遊びを通じて行われることを前提にしており、感覚的な体験を通じて子どもたちの好奇心を引き出し、社会的・情緒的な発達を促進することを目的としている。IEYCでは、テーマに基づいた学習ユニットが提供され、子どもたちの興味を引き出しながら、全体的な発達をサポートする。

 

2.IPC(International Primary Curriculum: 国際初等教育カリキュラム)

IPCは、5歳から11歳の児童を対象とした国際的な初等教育カリキュラムである。このプログラムは、探究型学習を通じて、児童の知識、スキル、理解を深めることを目的としている。IPCは、世界中の異なる文化や社会を理解するための国際的な視点を取り入れており、生徒が自分自身や他者について学ぶ機会を提供する。IPCのユニットは、テーマに基づいており、各教科が統合的に学ばれるように設計されている。

 

3.IMYC(International Middle Years Curriculum: 国際中等教育カリキュラム)

IMYCは、11歳から14歳の生徒を対象とした国際的な中等教育前期カリキュラムである。このプログラムは、思春期の生徒に特有のニーズを理解し、学習を個人の経験や興味に関連付けることを重視している。IMYCでは、プロジェクトベースの学習やテーマに基づくユニットが導入され、生徒が学びの関連性を実感しながら、批判的思考や問題解決能力を養うことができるよう設計されている。

これらのカリキュラムは、国際的な視点を持ちながら、子どもたちの全体的な成長と学びをサポートするために設計されており、各教育段階で適切な学びの環境を提供することを目的としている。

 

International Curriculum Association HP:

https://internationalcurriculum.com 

 ◯アメリカカリキュラム

アメリカカリキュラムとは、アメリカ合衆国の教育システムに基づいて設計された教育プログラムのことを指す。このカリキュラムは、幼稚園から12年生(K-12)までの学年をカバーしており、各学年においてさまざまな学問分野での基礎知識とスキルを養うことを目的としている。

アメリカカリキュラムの主な特徴:

 

1.標準化と柔軟性のバランス

アメリカの教育システムでは、教育内容や学習基準は州ごとに定められているが、共通コア州基準(Common Core State Standards, CCSS)など、広く採用されている基準も存在する。これにより、全国的に共通する学習目標が設定されている一方、各学校や教師にはカリキュラムの設計や指導方法に関して一定の柔軟性が与えられている。

 

2.幅広い教科の選択

アメリカカリキュラムでは、基本的な教科(英語、数学、科学、社会科など)に加えて、生徒は芸術、音楽、体育、外国語、テクノロジーなど多様な選択科目を学ぶことができる。特に中学や高校では選択科目の幅が広がり、生徒が自分の興味や進路に応じた学びを深めることが可能である。

 

3.アクティブ・ラーニングと批判的思考

アメリカカリキュラムは、生徒が単に知識を詰め込むのではなく、問題解決能力、批判的思考、クリエイティビティを養うことを重視している。プロジェクトベースの学習、ディスカッション、グループワークなどが広く採用されており、生徒が主体的に学ぶことを奨励する。

 

4.標準化テスト

アメリカの教育システムでは、標準化テストが重要な役割を果たしている。これには州が実施する学力評価テストや、SATやACTなどの大学進学適性試験が含まれる。これらのテストは、生徒の学習成果を評価し、次の教育段階への進学や大学入学に向けた基準となる。

 

5.AP(Advanced Placement)プログラム

APプログラムは、アメリカの教育カリキュラムの一環として提供される、高校生向けの高度な学習プログラムである。College Boardが運営しており、高校生が大学レベルの科目を履修し、AP試験に合格することで、大学の単位を取得できる可能性がある。

・大学レベルの科目: 生徒は、数学、科学、歴史、外国語など、さまざまな分野で大学レベルのコースを履修できる。

・単位取得: AP試験のスコアによっては、大学入学時に単位として認められることがあるため、大学での学習負担を軽減することができる。

・国際的認知: APプログラムはアメリカ国内だけでなく、世界中の多くの大学で認められており、進学の際のアドバンテージとなる。

APプログラムは、学業においてチャレンジングな科目に取り組みたい生徒や、大学進学を目指す生徒にとって、有益な選択肢である。

 

アメリカカリキュラムは、国内外で広く採用されており、インターナショナルスクールや米国ベースの教育機関でも提供されている。柔軟性が高く、生徒個々のニーズや興味に応じた学びを提供することができる点が、特に評価されている。

 ◯イギリスカリキュラム

イギリスカリキュラム(British Curriculum)、またはナショナルカリキュラム(National Curriculum)は、イギリスの教育制度に基づいて設計された教育プログラムで、特にイングランドで広く使用されている。このカリキュラムは、5歳から16歳までの生徒を対象とし、初等教育から中等教育までの学習内容や学習基準を定めている。

イギリスカリキュラムの主な特徴:

 

1.年齢と学年のステージ

Key Stage 1 (KS1): 5歳から7歳(Year 1とYear 2)

Key Stage 2 (KS2): 7歳から11歳(Year 3からYear 6)

Key Stage 3 (KS3): 11歳から14歳(Year 7からYear 9)

Key Stage 4 (KS4): 14歳から16歳(Year 10とYear 11)

各ステージで学ぶべき主要な科目と学習目標が定められており、これに基づいて教育が行われる。

※KS4の後、大学進学希望の生徒は、6th Formと呼ばれる進学準備教育課程に進む。

 

2.科目 

イギリスカリキュラムでは、英語、数学、科学といった主要教科が強調される。また、歴史、地理、デザイン技術、芸術、音楽、体育、コンピュータサイエンス、現代外国語なども学ばれる。これにより、生徒は幅広い知識とスキルを習得する。

 

3.GCSE(General Certificate of Secondary Education)

Key Stage 4 では、生徒はGCSE試験に向けて特定の科目を選択して学ぶ。この試験は、16歳時点での学力を評価するもので、進学やキャリア選択において重要な役割を果たす。

 

4.Aレベル(Advanced Level)

GCSE後の進路として、生徒はAレベルまたはASレベルの資格取得を目指す。これらは大学進学のための準備となり、特に選択した専門科目において、より深い学びを提供する。

GCE A レベル(General Certificate of Education Advanced Level)は、大学入学のための要件として広く認められている。

 

5.評価と試験 

イギリスカリキュラムでは、定期的な評価や試験が行われ、生徒の学習進度が確認される。特に、GCSEとAレベルの試験は、進学や就職に直結するため重要である。

 

イギリスカリキュラムは、インターナショナルスクールでも広く採用されており、世界中の学生にイギリス式の教育を提供している。これは、学問的な厳しさと柔軟性を兼ね備えた教育体系として評価されているためである。

このカリキュラムは、生徒の全体的な発達をサポートし、大学や職業教育に向けた堅実な基盤を提供することを目指している。

◯オーストラリアカリキュラム・西オーストラリアカリキュラム

◯オーストラリアカリキュラム

オーストラリアカリキュラム(Australian Curriculum)は、オーストラリアの全国的な教育基準に基づいて設計された教育プログラムであり、幼稚園から12年生までの生徒を対象としている。このカリキュラムは、全てのオーストラリアの州と地域で採用されており、すべての生徒に共通の教育内容を提供することを目的としている。

オーストラリアカリキュラムの主な特徴:

 

1.カリキュラムの構成 オーストラリアカリキュラムは、以下の3つの主要な領域で構成されている

教科別学習領域(Learning Areas): 英語、数学、科学、歴史、地理、芸術、技術、体育、健康、外国語など、幅広い教科が含まれる。

汎用能力(General Capabilities): 批判的思考、創造性、倫理的理解、デジタルリテラシーなど、21世紀の社会で必要とされるスキルの習得を目指す。

交差分野的テーマ(Cross-curriculum Priorities): アボリジニおよびトレス海峡諸島民文化、持続可能性、アジアとオーストラリアの関係といった、特定のテーマに焦点を当てた学びが取り入れられている。

 

2.年齢と学年の区分

Foundation to Year 10: 初等教育から中等教育前期にかけての期間であり、基礎的な知識とスキルの習得を目指す。

Year 11とYear 12: 中等教育後期にあたる期間で、専門的な科目の学習や、将来の大学進学やキャリアに向けた準備が行われる。

 

3.全国的な標準化 

オーストラリアカリキュラムは、オーストラリア全土で一貫した教育標準を提供するために設計されており、すべての州と地域で同じ学習内容が教えられる。これにより、どこに住んでいても、すべての生徒が同じ教育を受けられるようになっている。

 

4.柔軟性と多様性 

各州や学校には、カリキュラムをどのように教えるかについての柔軟性が与えられている。これにより、地域のニーズや生徒の興味に応じた教育が可能となっている。

 

5.評価と認定 

学生の学習成果は、定期的な評価を通じて測定される。Year 12では、各州や地域ごとに異なる最終試験(例えば、VCE、HSC、SACEなど)が実施され、その結果が大学入学の際の基準として使用される。

 

6.Year 11とYear 12の詳細

・Year 11とYear 12 では、生徒はより専門的な科目を選択し、その分野での知識とスキルを深める。これらの学年では、大学進学に必要な資格(ATAR、Australian Tertiary Admission Rank)を取得するための準備が行われる。

・ATAR は、Year 12の最終試験の成績に基づいて計算され、オーストラリア国内の大学への入学選考に使用される重要な指標である。

 

オーストラリアカリキュラムは、すべての生徒に質の高い教育を提供し、彼らが将来の学問や職業に向けて十分な準備をできるようにすることを目指している。また、オーストラリアの文化的多様性を尊重し、グローバルな視野を持つ人材の育成を重視している点も特徴的である。

 

 

◯西オーストラリアカリキュラム

西オーストラリアカリキュラム(Western Australian Curriculum)は、西オーストラリア州で採用されている教育カリキュラムで、オーストラリア全国共通のオーストラリアカリキュラムに基づきつつ、州独自のニーズや教育方針を反映している。このカリキュラムは、西オーストラリア州の全ての公立および一部の私立学校で適用されており、幼稚園からYear 12までの生徒を対象としている。

西オーストラリアカリキュラムの主な特徴:

 

1.オーストラリアカリキュラムとの整合性 

西オーストラリアカリキュラムは、オーストラリアカリキュラムの学習領域や基準に準拠しているが、州の教育省である西オーストラリア州教育局(SCSA, School Curriculum and Standards Authority)が管理しており、州特有の内容や学習目標が追加されている。

 

2.学年と学習領域

・幼稚園からYear 10: この期間では、主要教科(英語、数学、科学、歴史、地理、芸術、技術、健康、体育など)が教えられる。生徒は共通の基準に基づいて評価される。

・Year 11とYear 12: これらの学年では、生徒はより専門的な科目を選択し、大学進学やキャリアに向けた準備を行う。西オーストラリア独自の試験や評価基準が適用され、最終的な成績が大学進学のための資格(ATAR)に反映される。

 

3.評価と認定 

西オーストラリアでは、学習成果の評価と認定に関して、特定の州規定が存在する。Year 12の最終試験や、内部評価の結果は、西オーストラリア大学入学資格(ATAR)の算出に使用される。

 

4.独自の要素

西オーストラリアカリキュラムには、州特有の教育課題や地域社会のニーズに対応する内容が含まれている。例えば、環境教育や地元の先住民族の文化に関する学習が強調されている。

 

5.柔軟性 

学校や教師には、カリキュラムの実施において一定の柔軟性が与えられており、生徒の興味や能力に応じた教育が行われる。また、地方の学校やリモートエリアの学校でも、適切な教育が提供されるように配慮されている。

 

6.Year 11とYear 12の詳細

・Year 11とYear 12 では、生徒は「上級二次教育課程(Senior Secondary Courses)」を履修し、その成績がATARの計算に使用される。西オーストラリアでは、「WACE(Western Australian Certificate of Education)」という州特有の資格があり、生徒が一定の基準を満たすことで授与される。

・WACE は、大学や専門学校への進学の際に重要な資格となる。Year 12で受けるATARコースは、全国共通の試験の一環として評価され、大学入試の主要な指標となる。

 

西オーストラリアカリキュラムは、西オーストラリア州の生徒が、地域社会と世界における成功に必要な知識とスキルを身につけられるよう設計されており、地域の特性とグローバルな教育基準を両立させている。

 ◯カナダカリキュラム

カナダカリキュラムとは、カナダ各州および準州が独自に設計し管理する教育カリキュラムの総称である。カナダには全国統一のカリキュラムは存在せず、各州や準州が自らの教育システムとカリキュラムを管理している。そのため、カナダの教育システムには地域ごとに特徴的な違いがあるが、共通する基本的な枠組みも存在している。

カナダカリキュラムの主な特徴:

 

1.州および準州ごとの独立性

カナダでは教育が州および準州の管轄となっているため、各地域ごとに異なるカリキュラムが採用されている。例えば、オンタリオ州、ブリティッシュコロンビア州、ケベック州では、それぞれ独自の教育省があり、それぞれの地域のニーズに応じたカリキュラムを設計している。

 

2.学年と学習領域

カナダの教育は、幼稚園から12年生まで(K-12)の学年で構成されている。各学年で、英語(またはフランス語)、数学、科学、社会科、芸術、体育などの基本的な教科が教えられる。

特にカナダの公用語である英語とフランス語の教育において、州ごとの違いが顕著であり、バイリンガル教育やフランス語イマージョンプログラムが一部の州で重視されている。

 

3.柔軟性と多様性

カナダカリキュラムは、生徒の多様な背景や学び方に対応する柔軟性が特徴である。各州では、インクルーシブ教育や特別支援教育に関するポリシーが整備されており、すべての生徒が平等に教育を受けられるよう配慮されている。

 

4.評価と認定

各州および準州では、学習成果を評価するための基準が異なり、評価方法も多様である。例えば、ブリティッシュコロンビア州では、卒業証書を取得するために特定の科目で省が管理する試験に合格する必要がある。

最終学年であるGrade 12の評価は、大学入学の際の成績として重要であり、州ごとに異なる試験や評価基準が設けられている。

 

5.進路選択

カナダでは、高校の最終学年(Grade 12)において、進学や就職に向けた選択肢が多岐にわたる。多くの高校生は大学進学を目指しており、特定の教科やプログラム(APコースやIBプログラムなど)を選択することが可能である。

一部の州では、専門技術教育や職業訓練プログラムも提供されており、生徒は将来のキャリアに向けて専門知識やスキルを学ぶことができる。

 

州ごとの例:

・オンタリオ州

オンタリオカリキュラムでは、特に文学や数学の教育が強化されており、カナダの中でも最も人口の多い州として多様なプログラムが提供されている。

・ケベック州

ケベック州は独自の教育システムを持ち、特にフランス語教育が中心である。また、ケベック州ではCÉGEPと呼ばれる短期大学制度が存在し、高校卒業後に進学する生徒が多い。

・アルバータ州

アルバータ州は、STEM(科学、技術、工学、数学)教育に力を入れており、特に科学や数学の教育が充実している。また、アルバータ州教育省(Alberta Education)は、学業成績評価や州統一試験に関して高い基準を設けており、卒業資格の取得にはこれらの試験に合格することが求められる。

 

※これらのカリキュラムの他にも国際基準のカリキュラムは存在する。