誰しもが疑問、不安を抱く問題
Q.「外国の学校、インターナショナルスクールから日本の学校には転校、入学でき
るのだろうか・・・」
結論・・・可能(条件付き)!
目次:
1)外国から日本の小・中学校へ
・公立小中学校へ
・私立小中学校へ
・帰国生入学試験について
2)外国から日本の高校へ
・外国の中学校から日本の高校へ
・外国のインターナショナルスクールから日本の高校へ
・帰国生入学試験について
3)外国から日本の大学へ
・外国の高校から日本の大学へ
・外国のインターナショナルスクールから日本の大学へ
・帰国生入学試験について
1.外国から日本の小・中学校へ
◯公立小中学校へ
・子供が日本国籍である場合
日本国民である学齢児童生徒が帰国した場合、その時点からその保護者には就学義務がかかることとなり、住所地の教育委員会から、就学すべき学校の指定・編入学期日を通知される。
外国から帰国した学齢児童生徒の小・中学校への編入学に当たっては、原則として、その年齢に応じ、小学校、中学校又は義務教育学校の相当学年に編入学することになるが、、
例外として、義務教育の就学に必要な程度の日本語の能力が欠如している場合には、就学義務の猶予がある。ただし就学義務の猶予には、日本語の能力が養われるまでの一定期間、適当な機関で日本語の教育を受ける等日本語の能力を養うのに適当と認められる措置がなされている必要がある。また、一時的に下級の学年に編入する措置をとることも可能。
※重国籍者であっても日本の国籍を有する学齢児童生徒の保護者は、就学義務を負う。
〜日本国籍の小中学生が日本のインターナショナルスクールに入学する場合〜
学校教育法第1条に規定する学校(一条校)として認められたインターナショナルスクールであれば、就学義務を履行したことになるが、その学校が一条校として認められていない場合、保護者は就学義務を履行していないこととなる。そのインターナショナルスクールが認定されているかは、直接学校に問い合わせるのが良い。
※一条校として認められているインターナショナルスクール
https://istimes.net/articles/817
https://istimes.net/articles/753
https://note.com/schoolscope/n/nbe0145307ec2
・子供が外国籍である場合
日本においては、外国人の子の保護者に対する就学義務はないが、公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には、国際人権規約等も踏まえ、その子を日本人児童生徒と同様に無償で受け入れている。
受入れ学年の決定については、外国人の子の受入れに際し、特に日本語でのコミュニケーション能力の欠如や、日本と外国とで学習内容・順序が異なること等により、相当学年への就学に必要な基礎条件を著しく欠き、年齢相当学年の教育を受けることが適切でないときは、一時的又は正式に下学年への入学が可能。なお、外国において日本よりも義務教育期間が短く9年間の義務教育を修了していない場合は、学齢期であれば、本人が希望すれば年齢相当の学年への編入学が可能。
外国籍の児童生徒の保護者には、就学義務の規定は適用されないため、民族学校やインターナショナルスクールに就学させることも可能である。
※編入学予定の教育委員会に詳細を問い合わせてみるのが良い。
◯私立小中学校へ
個別の入学資格審査を実施するか否かは、各学校の判断になるため、学校のHPの編入学の募集要項を確認。
◯(中学校)帰国生入学試験について
・C中学校の例(2024年度) https://www.hs.chuo-u.ac.jp/junior/jr-exam/jr-examinfo/
(1)日本国籍を有する者(日本国の永住許可を得ている者を含む)
(2)2010年4月2日から2012年4月1日の間に出生した者。
(3)国内外の小学校課程を修了、または修了見込みであること。ただし、本校が、小学校卒業
と同等以上の学力があると認めた者についてはこの限りではない。
(4)本校の教育方針に賛同し、全ての教育活動に参加できること。
(5)保護者の海外転勤または海外在留により、下記の(ア)、(イ)のいずれかを満たすこ
と。
(ア)2020年4月~2024年3月における海外在留期間の合計が1年6ヶ月以上であること。
(イ)上記(ア)における海外在留期間が1年6ヶ月に満たない場合は、2018年4月~2024年3
月における海外在留期間の合計が3年以上であること。
※志願者本人のみの留学などを在留期間に含めることはできない。
(6)入学後、保護者のもとより通学可能な者。
・K中学校の例(2024年度) https://www.sfc-js.keio.ac.jp/images/2024_sfcjh_returning_guideline.pdf
(1)2011年4月2日から2012年4月1日前に生まれたもの者。
(2)次の①か②の条件のいずれかを満たしている者。
①2021年4月1日から2024年3月31日までの3年間に通算1年6ヶ月以上、国外に在住した者。
②2017年9月1日から2024年3月31日までの6年7ヶ月の間に通算3年間以上、国外に在住した者。
在住期間は、日単位ではなく月単位で算出しますので、移動した月1ヶ月として加算してください。
(3)◯◯中等部に入学後、父、母または親権者のもとから通学できる者。
参考
文部科学省 就学事務Q & A「7. 外国から帰国した学齢児童生徒の就学手続きについて」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/detail/1422243.htm
文部科学省 就学事務Q & A「13. 外国人の子等の就学に関する手続について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/detail/1422256.htm
文部科学省 就学事務Q & A「11. 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/detail/1422252.htm
2.外国から日本の高校へ
◯外国の中学校から日本の高校へ
外国の9年の過程を修了した上で帰国した場合、高等学校の入学資格を有することになるが、その生徒の保護者は、子が満15歳に達する日の属する年度の終わり(日本において)まで、中学校等に就学させることが必要となる。
◯外国のインターナショナルスクールから日本の高校へ
外国にあるインターナショナルスクールを卒業して、日本の高等学校入学資格を得るには、そのインターナショナルスクールが、その外国において正規の教育機関として認められているかどうかを在日大使館を通じて確認することが必要である。正規の教育機関で、9年の課程を修了することにより、高等学校入学資格を有することとなる。
※中学校卒業程度認定試験を受験した上で、高等学校の入学者選抜試験を受験すること可能。
※高校新2年生・新3年生からの、転入学を認めていない学校もあるため、それぞれの学校のHPを確認するのが良い。
◯(高等学校)帰国生入学試験について〜
・T高校の例(令和6年度) https://www.high-s.tsukuba.ac.jp/shs/wp/wp-content/uploads/2023/08/令和6年度第1学年生徒募集要項(海外帰国枠).pdf
出願資格 次の1から6の条件をすべて満たす者。
(1)平成 21(2009)年4月1日までに出生した者。
(2)出願時に高等学校,中等教育学校,高等専門学校,または特別支援学校高等部を卒業して
いない者。
(3)出願時に日本国内の高等学校,中等教育学校後期課程,高等専門学校,または特別支援学
校高等部に在籍しいない者。
(4)日本の中学校の学齢期に相当する年間のうち,海外に引き続き2年以上滞在して教育を受
けている者。
〔注〕「海外に引き続き2年以上滞在」したことになる者とは,次の条件を満たしている者
も含む。
今回の海外滞在は1年以上2年未満であっても,それ以前の小学校・中学校時に,海外日本人学校または海外現地校に在学していた期間の2分の1を今回の滞在期間に加えると,合計2年以上になる者。
(5)以下のアからエのいずれかに該当する者。
ア 海外日本人学校中学部を令和6(2024)年3月に修了見込みの者。
イ 海外現地校の課程(9か年の学校教育課程)を修了し,令和5(2023)年4月1日以降に帰国した
者。
ウ 海外日本人学校に帰国時まで在籍し,令和5(2023)年6月1日以降に帰国,日本国内の中学
校を令和6(2024)年 3月に卒業見込みの者。
エ 海外現地校の課程(9か年の学校教育課程)を修了せずに,令和5(2023)年6月1日以降に帰国
し,日本国内の中学校を令和6(2024)年3月に卒業見込みの者。
(6)保護者と同居し,そこから通学できる者。
保護者とは,父または母。父母ともに海外に滞在している場合には,それに代わり責任の
とれる人。
同居に関しては,入学時に住民票で確認します。
新幹線による通学は認めません。
・W高校の例(2024年度) https://www.wasedajg.ed.jp/senior/exam-h/returnees-h/
次の要件をすべて満たしていること
(1)受験者本人が日本国籍を有していること
(2)海外勤務者の子女で、保護者に帯同して海外に滞在していた(いる)こと
(3)2023年3月から2024年3月までに、9ヵ年の教育課程を修了または修了見込みであること
(4)2024年4月1日までに15歳に達する者
(5)本人が滞在期間と帰国日(予定日含む)の要件((1)または(2))を満たしていること
(1)滞在期間が継続して1年9ヵ月以上3年未満の場合、2023年1月1日~2024年3月31日に帰
国
(2)滞在期間が継続して3年以上の場合、2022年1月1日以降の帰国
※海外現地校等における通常の課程による9か年の学校教育とは、Grade9/Grade10を指します。
※海外現地校等で在学中の学年が2024年4月以降に修了予定の方(2024年6月にGrade9を修了予定の方など)でも、 日本の中学3年生の学齢に達しており、海外在留中なおかつ海外現地校等に在学中であれば、原則として、出願資格3を満たします。
参考:
文部科学省 高等学校入学資格 Q & A
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/sikaku/1311012.htm
3.外国から日本の大学へ
◯外国の高校から日本の大学へ
外国において学校教育における12年の過程を修了した者は、大学入学資格が認められる。
「外国において学校教育における12年の課程を修了した者」とは、「外国の正規の学校教育における12年目の課程を修了した者」という意味である。
したがって、1.飛び級などをすることにより12年間教育を受けておらず18歳未満の場合や、2. 日本でも教育を受けたため外国だけでは12年間教育を受けていない場合、3.学校教育課程が13年ある国で、12年の課程を修了した場合であっても、最終的に修了した課程が正規の学校教育の12年目以上の課程であれば、大学入学資格は認められることになる。
※なお、修了した課程が正規の学校教育であるか、何年目の課程であるかは、それぞれの国の大使館等に確認。
また、それ以外にも、指定された準備教育課程(文部科学大臣指定準備教育課程一覧)を修了した場合、高等学校卒業程度認定試験に合格した場合、各大学が行う個別の入学資格審査によって高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められた場合にも、大学入学資格が認められることとなる。
〜カンボジアにおける12年目の教育課程の修了は大学入学資格として認められるのか〜
大丈夫だと思われるが、直接大使館に聞いてみるのが良い。
◯外国のインターナショナルスクールから日本の大学へ
インターナショナルスクール(外国人学校)の所在地が日本であるか外国であるかにかかわらず、国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI、NEASC)の認定を受けた教育施設の12年の課程を修了していれば大学への入学資格が認められる。さらに、外国の大学入学資格である国際バカロレア、アビトゥア、(フランス)バカロレア、GCE Aレベルを保有している場合も、大学への入学資格は認められる。
また、Cambridge International AS & A Levelを修了した生徒も大学入学資格が認められる(AS Levelのみ修了した者は、認められない)。
また、これらの条件に該当する場合、18歳の年齢制限は2019年1月に撤廃された。
※個別の入学資格審査を実施するか否か、実際の審査の方法等は各大学が定めているため、詳細については各大学に問い合わせる必要がある。なお、個別の入学資格審査はあくまで入学資格の有無にかかわる審査であり、入学者選抜とは別個であるため、この審査に合格した後に更に入学試験を受ける必要がある。
◯(大学)帰国生入学試験について
・R大学の例(2024年度)
https://ritsnet.ritsumei.jp/application/returnee/asset/dl/k-j-youkou.pdf
次の ~1〜4のすべてに該当する者。
(1)以下の1~3のいずれかに該当する者。なお、以下の1~3について卒業・修了・合格の「見込み」で出願し、 入学試験に合格した者が、2024年 3 月 31 日までに卒業・修了・合格しなかった場合は入学を許可しません。
①高等学校(中等教育学校を含む。以下同じ)を卒業した者、または 2024 年 3 月卒業見込みの者
②特別支援学校の高等部、および高等専門学校の 3 年次を修了した者、または 2024 年 3 月までに修了見込みの者
③学校教育法施行規則第 150 条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、ま たは 2024 年 3 月 31 日までにこれに該当する見込みの者
(2)日本国籍を有する者、または日本に永住権を持つ者
(3)外国の正規の教育課程における、日本の中学校・高等学校にあたる課程 で通算 2 年以上 の教育を受けた者、 または 2024 年 3 月 31 日までに通算 2 年に達する見込みの者
(4)以下のいずれかを出願時点で取得しており、証明書によってそのスコアを証明できる者
以下省略
・W大学の例(2024年度) https://www.waseda.jp/inst/admission/assets/uploads/2023/04/R_youkou.pdf
以下の1〜4の要件を全て満たす者。
(1)次のa,bいずれかの要件を満たす者
a. 日本国籍を有するもの
b. 「出入国管理及び難民認定法の別表第二」に掲げる者
(2)次のa,bいずれかの要件を満たす者
a. 出願時に日本の教育制度以外の課程にて教育を実施する日本国外所在の中等教育機関に在籍し、2024年3月31日までに卒業(修了)見込みの者
b. 日本の教育制度以外の課程にて教育を実施する日本国外所在の中等教育機関を卒業(修了)し、かつ出願時に卒業(修了)後一年以内の者
(3)日本国外に所在する外国の中等教育機関において、最終学年を含め、2学年以上を継続して在籍した者、もしくは在籍予定の者
(4)過去に本学帰国生入試の受験歴がない者
以下省略
※出願資格の内容に関しては、かなり省略しているため各大学のHPから確認。
参考:
文部科学省 「大学入学資格」
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111314.htm
文部科学省 「入学資格に関するQ & A」
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111319.htm
国際的な評価団体認定外国人学校について
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111314/006.htm